生地をつくる
織布・編立について
紡糸や紡績を経て作られたフィラメント糸とスパン糸は、織布または編立によって織物または編物という生地の状態になります。
- 織布
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タテ糸とヨコ糸を交差させることにより生地を、平面上に仕上げる工程を織布といいます。
整経ー糊付ー経通しというタテ糸準備工程を経て、そのタテ糸を上下させながらヨコ糸を入れていきます。
ヨコ糸の送り込み方法の違いによってエアージェット、ウォータージェット、レピアなどの織機があります。織物写真
- 編立
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糸でループを作り、そのループにまた糸をくぐらせてループを作ることを繰り返していくことにより平面上に仕上げる工程を編立といいます。 横方向から糸が供給され、横方向に編目を作っていくのがヨコ編み、縦方向から糸が供給され、縦方向に編目を作っていくのがタテ編みです。 ヨコ編み用にはヨコ編機や丸編機があり、タテ編み用にはトリコット機などがあります。
編物写真
生地の組織について
織物にも編物にも織り方・編み方を決定する「組織」があります。どの組織で織り編みを行うのかによって、風合いや光沢感などが変化します。
ユニフォームで主に使用される織組織、編組織についてご紹介します。
- 織物の組織
- 一重組織
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三原組織
1. 平織
タテ糸とヨコ糸が一本交互に交差した最も単純な組織。生地は薄めでしっかりしており、夏物衣料やシャツ地などの用途が多い。
組織呼称例)ブロード,ポプリン,ギンガム,トロピカル,タフタetc
2. 斜文織(綾織・ツイル)
タテ糸とヨコ糸の交差点が生地表面に斜め畝線を形成する組織。生地はやや厚めで光沢感に富み、冬物衣料などの用途が多い。
組織呼称例)ギャバジン,サージ,バーバリ,カルゼetc
3. 朱子織(サテン)
タテ糸・ヨコ糸が4本以上浮き、交差点が規則的に飛んでいる組織。生地は滑らかで光沢があり、女性向け衣料などの用途が多い。
組織呼称例)ドスキンetc
4. 変化組織
三原組織を変化させたもの。
組織呼称例)ヘリンボーンetc
- 二重組織
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よこ二重組織・たて二重組織
タテ方向またはヨコ方向に表糸と裏糸の二重構造を形成することで生地に厚みを持たせている。「裏綿(うらめん)」生地が代表例。
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(参考)フィラメント織物・
スパン織物・交織織物 -
織物は、タテ方向またはヨコ方向にフィラメント糸やスパン糸をどのように配列するかによって、フィラメント織物、スパン織物、交織織物と区分して呼ぶことがあります。
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フィラメント織物
ヨコ糸:フィラメント
タテ糸:フィラメント -
スパン織物
ヨコ糸:スパン
タテ糸:スパン -
交織織物
ヨコ糸:スパン
タテ糸:フィラメント
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フィラメント織物
ヨコ糸:フィラメント
編物の組織
編物には、よこ編とたて編の2種があります。よこ編は編目を緯方向に連続させて布を形成し、経編は編目を経方向に連続させて布を形成します。
- よこ編
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基本組織
1. 平編(天竺編・メリヤス編)
表には縦方向の編み目が、裏は横方向の編み目が見える組織。地が薄いため肌着などの用途が多い。
2. ゴム編(リブ編・フライス編)
平編の表目と裏目が縦方向の列ごとに交互に配置された組織。縦に畝ができるリブ目があり、横方向への伸縮性に富むため、袖口や襟ぐり、裾などの用途が多い。
3. パール編(ガーター編)
平編の表目と裏目が横方向の列ごとに交互に配置された組織。地が厚く縦方向への伸縮性に富むため、袖口や靴下のゴム部などの用途が多い。
変化組織
1. 鹿の子編
平編みとタック編みが交互に配置されている組織。通気性があり、さらっとした手触りであるためポロシャツなどに使用されることが多い。
2. スムース編
ゴム編みを二つ並べた両面編み。密度が高く、ある程度の肉厚と伸縮性があるため、スポーツ用アンダーウェアなどに使用されることが多い。
- たて編
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基本組織
基本組織はほつれやすく、弱く、実用性が低いためあまり使用されていません。変化組織
一本がシングルコード編み、他の1本がシングルテンビー編みになっている組織。インナーウェアなどに使用されることが多い。